こんにゃくセラミドの美容効果

セラミドは経口摂取できる


肌のバリア機能を高めて、表皮の潤いを保つために必要不可欠なのが細胞間脂質・セラミドです。体内でも合成される成分ですが、外から摂取することもできます。その方法は、「塗る(経皮摂取)」と「食べる(経口摂取)」の2通りです。これまでは塗布することがメインでしたが、最近では研究が進み、セラミドの経口摂取でも肌の状態が改善するという報告が続々と発表されています

セラミドの経口摂取には、塗布するのとは異なるメリットが考えられます。それは、①全身のバリア機能を強化する、②身体の内部からセラミドの産生を促進するというように、全身を包む肌全体への効果が期待できることです。

もちろん塗ることでも効果はありますが、部分的に塗布したのでは、その部分へのケアに留まります。



肌のバリア機能


肌は、全身を覆っており、成人では畳1枚ほどの面積がある最大の臓器です。体外刺激からの保護、体内環境の恒常性維持、また痛みや温度を感じる感覚機能など、いくつもの働きを担っています。表面から表皮・真皮・皮下組織の3層構造をしており、表皮の最も外側にある角層が私たちの身体を守る肌のバリアの最前線です。



バリア機能が高い肌・低い肌


バリア機能が整った肌は、皮膚本来の役割を果たし、外からの刺激物も跳ね返します。バリアの状態が悪いと刺激物をはじき返すことができず、異物が奥に入り込んで、かゆみなどの炎症を起こすのです。「炎症=酸化ストレス」ですから、紫外線を浴びたときと同じように、細胞が傷つき、シミやちりめんジワなど肌老化の原因にもなります。

十分に潤い、キメが整って、ふっくらした理想的な肌は、まさにバリア機能が健康な強い肌。つまり、バリア機能の維持こそが、「ゆらぎ肌・なんとなく不調肌」の予防にもなる、美肌の基本なのです。



セラミドとコラーゲン・ヒアルロン酸の役割の違い


セラミドはバリア機能を担う表皮で、コラーゲンとヒアルロン酸は真皮でハリや弾力を作り出して表皮を内側から支えています。

*…真皮内の成分位置は概念図(順不同)
出典:慶田朋子「365日のスキンケア」


成分による肌への効果


肌に備わる成分としてよく知られる、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸は、それぞれ異なる役割を担っています。セラミドはバリア機能を担う表皮で、コラーゲンとヒアルロン酸は真皮でハリや弾力を作り出して表皮を内側から支えているのです。

実は、バリア機能の実力は、セラミド量と比例しています。セラミドは角質の細胞同士をつなぎ合わせている主要な細胞間脂質ですが、水とも結合できる部分を持っているため、水をはさんで細胞膜ともくっつくサンドイッチ構造をしています。

これこそが、他の成分にはない、セラミドの驚くべき特徴です。挟み込まれた水分を結合水といい、角層での本当の意味での水分保持機能なのです。結合水はセラミドで挟み込まれて動かないので、肌の外へと出ていきません。これで真の保湿が叶うのです。

表皮は潤いや柔らかさ、透明感といった肌の印象を左右する部分です。しかも、大気の乾燥や物理的刺激などと、常に直接接触しています。角層の潤いの約8割を占めるセラミドこそ、美肌の鍵を握っているといえるでしょう。





出典
(1)石川准子 食品セラミドの消化吸収.ここまできたセラミド研究最前線セラミド―基礎と応用 食品化学新聞社 2011.10.1.p96-100
(2)向井克之 こんにゃくセラミドの吸収と肌への作用メカニズム FOOD STYLE 21 vol.16 No.5 p.81-83
(3)向井克之、白井宏政、小池田崇史、増田康、齋藤正実 こんにゃくセラミド含有食品の摂取による肌の保湿性をはじめとする肌諸症状改善試験―無作為化二重盲検プラセボ対象並行群間比較― Jpn. Pharmacol Ther(薬理と治療)vol.46 no.5 2018 p.781-799
(こんにゃくセラミド健美肌プロジェクトHPより引用)